けっこうスリリングかな

今年度も、残すところあと1ヶ月となりました。今年は例年とは違い、少し学力の高いというか、前向きな子が比較的たくさんいる講座をひとつ持たせてもらっている関係で、ずいぶんと楽をさせてもらいました。ついでにいうなら、単独講座なので、進度とか評価とか、全面的に自分の裁量に任されています。なので、残る1ヶ月、その講座で「数学レポート」にとりくむことにしてみました。
とりあえず、図書室に放り込んで、本の海の中を漂ってもらおうと。で、自分なりにテーマを見つけて、それを掘り下げて考えてもらおうかなと思っています。で、レポートにまとめて発表会をやる、と。
で、今日、その一日目でした。

数学の世界では、新しい定理を見つけた時「発明した」とは言わず「発見した」といいます*1。これは、自分でつくりだしたというより、「もともとそこにあったものを見つけ出した」という感覚から来ています。ちょうど、ミケランジェロが「わたしはビーナスを彫るのではない。石の中にあるビーナスを救い出すのだ*2」と言ったのと同じ感じですね。
数学は、数式の中だけじゃなくて、絵画や音楽、自然の中にたくさんあります。それ以外に、文学の中にも経済学の中にも、その気になって探せば、あちこちに転がっているはずです。それを今回見つけ出して下さい。そして、それをレポートにしてみましょう。

てな感じで前口上を述べました。それから、生徒たちは書架の前に群がったのでしたが、そこからがたいへんでした。「先生、◯◯はテーマになる?」「う〜ん、それ、なかなか魅力的なテーマだね。でも、もう少し掘り下げてみると◯◯なことも考えられるよ」みたいな感じでやりとりをしていたのですが、けっこうたいへんですね。雑学のかたまりにならないといけない感じ。でも、そのアドリブの受け答えが結構おもしろいです。それなりに納得したり、「まだまだ本を読まなくちゃならないな」みたいな顔で去っていったり、それでも、なんとなく伝わったところはあったみたいです。
さてさて、連中、どんなレポートをつくってくれるかなぁ…。

*1:これは、『博士の愛した数式』からのパクリ

*2:だったと思う