山ごもり・4日目

今日が山ごもりの最終日です。なんせ、あしたは職員会議ですからね。
朝、妙に暖かいので寒暖計を見ると、+4℃。そりゃ暖かいはずだ。
午前のレッスンをはじめようと思うと、なんとなく小さな雨粒がチラチラと降ってきます。まいったなぁ…。リフトに乗って山の上に上がっていくと、それがだんだんと雪に変わってきます。さすがは山です。
雨じゃなかったらこっちのもの(?)です。この午前でレッスンが終わる人もいたので、簡単に課題を提示して、後はドンドン滑るだけです。スキーなんざ、人の話を聞いてもうまくなりません。それより、いかにたくさん滑るかです*1。昨日失敗数人が失敗したコブ斜面もリベンジということで再挑戦。
てな感じでやっているうちに、楽しく午前のレッスンは終了。
午後、雨です。レッスンは中止。
しばらく宿で待機していましたが、身体が疼いてきます。だって、今日が今シーズンの最終日だもん。その表情を見て取ったか、オーナーが「行きたいんだろ。行ってこいよ」と、声をかけてくれました。もちろん飛び出しました。
下は雨ですが、リフトに乗るとみぞれから雪に変わっていきます。「雨は夜更けすぎぃにぃ〜♪」とぜんぜん違う歌が頭の中を駆けめぐります(笑)。やがて一番上に到着。完全に雪です。それも、湿雪よりもう少し乾き目の感じ。まずは、コブ。跳ねまわりました。吹っ飛びました。それも楽しい。コブに飽きたら、まだ誰も滑っていない木々の間を滑ります。ところどころにあるえらい急なところを落下していく感覚が、なんとも言えません。
やっぱ、オフピステこそスキーの醍醐味だなぁ。日本のスキー場は、「安全管理」という責任体制のもと、管理されすぎているんですよ。
どこを滑るかは自己決定。その結果については自己責任*2。ただし、決定するためには、自分の技量と斜面や雪の状況をきちんと読みとり、自らを過信しない慎重さが必要です。この選択の技量を、バブル期の日本のスキー文化は育んでこなかった*3。そして、その後のゲレンデの整備の進化*4がそれに拍車をかけてしまった。なので、応用力のないカービング一辺倒のスキーヤーがあふれかえることになってしまった。
まぁそんなことを考えながら、新しいルートを見つけてはチェレンジし続けました。
やがて、リフト終了時間。今シーズンの最後の一本は、これまた普通は誰も行かないとっておきの斜面です。まわりには誰もいません。あのやかましい音楽も、ここまでは聞こえてきません。大きくひとつ深呼吸。滑りはじめると聞こえてくるのは、スキーが雪を切る音。風の声。自分自身の息の音。それだけです。滑り終わって、またひとつ深呼吸。
さて、今シーズンも終わりました。帰ろう、京都へ。

*1:ただし、意識的にですけどね

*2:もちろん、自己責任だからといって、失敗した時のフォロー態勢が何も必要ではないということではありません。そこへのセーフティーネットは、スキーがスポーツ(≠冒険)として成立するためには必要不可欠です。管理者側に必要なのは、そこのバランスだな。

*3:初心者を山の上に連れて行って「下まで滑ればうまくなる」んなわけねーだろ…。

*4:斜面の多様性の剥奪