なんのための改革か

今日は、職場の教職員人権教育研修会。講師は、西成高校の教頭さんです。題して「格差を越える高校−西成高校が大切にしていること−」。
すごくよかったです。
程度の差はあれ、うちの学校とそれなりに似ているところが多々あります*1。その状況をどうとらえ、そこからなにをしていくのか。「改革の中味」がともすればとりざたされますが、それ以上に、「改革」のスタートとめざす方向について、ほんとうに勉強になりました。
ともすれば、「しんどい学校」は、いかにして「いい生徒*2」を集めるかというところに腐心しがちです。でも、これって、「しんどい生徒*3」をよその学校に押しつける、あるいは、その子らの進路を中学段階で閉ざしてしまうことにつながります。さらには、今、自分の学校にいる「しんどい生徒」を放置する・放り投げることにもつながりかねません。
でも、西成高校の改革の方向は、今いる「しんどい生徒」。これからも入って来るであろう「しんどい生徒」と、今も、これからも、どう一緒に歩んでいくか。そのための「改革」なんだということです。そのために、西成高校の「今」を分析し、「これから」を展望している。そして、「何が必要か」ということをそこから導きだし、実践を積み重ねている。
もちろん、こうした方向に行かざるを得ない、「大阪」の状況*4があります。だからこそ、そこまで腹をくくれるんだろうとは思いながらも、やっぱり「すごいよ!」と思わざるを得ませんでした。


にしても、今日からはじまった「公立高校の復権*5」はどういうふうに展開していくのかなぁ…。「京都」という大豆のエキスから湯葉一枚だけを取り出した学校やからなぁ…。

*1:程度の差=さすがは大阪の「しんどい」学校です。うちの学校はまだまだ足元にも及びません(笑)。

*2:この表現そのものがダメダメなんですが、こういう言葉がまかり通るキョーイクギョーカイなんですわ

*3:こちらは、ギョーカイによっては、往々にして愛情を持って使われることが多いです(笑)。

*4:それは、「問題」と言ってもいいかもしれないですね。

*5:朝日新聞の特集ですわ