御着のフィールドワーク(その1)・皮革工場見学

今日は兵庫県姫路市の御着という場所にある皮革工場のフィールドワークです。ちなみに主催は全国キリスト教学校人権教育研究協議会の関西地区です。
このH市の皮革工場の話は前々から聞いていて、すごく行きたかったので、今回はなんとしてでも参加しようと思っていました。
集合は1時。せっかくなんで、昼前に現地に行って、近くをブラブラしながらお好み焼き屋さんでも探そうと思っていたのですが、乗っていた新快速で急病人が出たため予定が大幅に後ろにずれ込んでしまいました。まぁ病人なんでしかたがないか…。てことで、お好み焼き屋さんを捜すのはあきらめて*1、ラーメン+餃子&飲み物ですますことにしました。
で、地元の総合センターに到着。着くと既に皮革資料室で説明がはじまっています。どないなってんねん。
どうやら案内していただく柏葉さん、すごくサービス精神が豊か*2みたい。なので、じっとしてられなくて、早めに来られた方相手に説明をされていたのかな。だったらちょっと早めに来るんでした。
で、定刻になってフィールドワークスタート。今回は、3つの工場をまわります。

  • 鞣し工場

1500万円ぐらいする大きなドラムが全部で7台あります。ドラムは縦回転。まぁ最近はやりの洗濯機と同じですね。この中に、薬品*3と原皮を入れて1昼夜ばかりゆっくりまわしていると毛が抜けてくるとか。これを横で乾燥させて第1段階終了です。
ここでいうならば、「1、ソーキング」「2、フレッシング」「3、脱毛・石灰漬け」あたりなんでしょうか。
ちなみに、原皮はオーストラリアやアメリカから輸入してくるとか。季節は現地の夏がいいらしいです。脂分が少ない・毛が少ない→ダニが少ないというのが重要な要素のようです。

  • シェービング工場

ここでは革*4を一定の厚さに削ります。なんでも、ウン千万するイタリア製の機械を導入しておられるとか。よく見ていると、途中まで入れて抜いておられます。全体をいれてしまわないのはなんでかなぁと思っていたのですが、ふと気がつきました。しわができる場所の直前でひいておられます。てことは、おそらく入れる方向を変えることで、しわのできる方向が変わって、すべての面を削ることができるんでしょうね。
ちなみに、削ったカスをグツグツ煮ると「煮革」→「膠」ができるとか。

  • タンニング工場

H市の有名どころでは、高木というところがありまして、こちらのほうでは、現在日本でただ一人森本さんという方が、「白鞣し」をされています。で、今回行った御着では、「クロム鞣し」と「タンニン鞣し」が主流ということです。もっとも、柏葉さんのしゃべり口では「タンニン鞣しの方がものがいい」という感じでしたねぇ。
今回見学させていただいた工場では、地面に穴が掘ってあって、水が張ってあります。そこに、イギリスから輸入しているタンニンのドンゴロスが吊ってあります。どうやらこうやってタンニンのしみ出した薬品をつくっているみたい。そこに革をつけていくようです。
ちなみに、3つの工場の中で、ここが一番臭いのきついところでした。
で、タンニングの終わった革は道をはさんだ向かいにある場所で乾燥させます。その後、必要に応じて染色をして、最後にガラス玉で磨いてつや出しをして製品になるとのことです。


いずれの工場も、すごく古い木造の建物で、しかも壁がスリットになっています。これにも意味があるそうな。
タンニンで鞣した革は鉄に反応すると黒くなってしまいます。なので、鉄骨の建物だとまともな製品にならないとか。言われてみると、木造の工場の中を見回してみると、うまく木を組んであり、「釘で支えている」という感じがあまりしません。なるほどなぁ…。
さらに、壁がスリットになっているのは、風通しをよくして革がうまく乾燥するためだとか。なるほどなぁ…。

*1:もっとも、近くにはなかったorあっても営業は夜

*2:しゃべり好きとも言う

*3:消石灰

*4:柏葉さん曰く「皮は毛がついている状態で、革は毛がない状態」とのこと