長い散歩

朝、携帯が鳴って目が覚めました。1時間ほど寝坊です。H井さんはまだ寝ておられるみたいです。起こすのもなんだし、なにより前日「勝手に出て行ってください」と言われていたので、お礼も言わず、あわてて水道橋に向かいます*1
昨日からはじまっている全国キリスト教学校人権教育セミナーへの参加です。今日は中日。メインの日です。わたしは第4分科会「江戸から現代まで、ヘテロセクシュアルホモセクシュアルトランスジェンダーが織りなす新宿の歴史地理」(講師:三橋順子さん)のコーディネーターです。
水道橋からふたたび新宿に向かって移動。東口で三橋さんと待ち合わせです。
このあたりから、急激に体調が悪化しはじめます。地面が波打ってます。やばいです。三橋さんからは
「だからいつも言ってるでしょ」
と、いつものように怒られます。
まずは、東口の前で新宿駅近辺の歴史地理について概説。ここから東中央口方面に移動します。やがて4丁目方面へ。
三橋さんの話を聞きながら新宿の街を歩くと、自分の中で疑問だったさまざまなことが、ひとつひとつ腑に落ちてきます。とにかくすごくおもしろい!コースは4丁目からふたたび追分へ。ここでいったんお昼ご飯。
三橋さんとおそばを食べに行きます。ふだんだったら確実にビールを飲みますが、今日はパス。いかに体調が悪いか、自分でもわかるというものです(笑)。熱い(でも薄い)そば湯を呑んだあたりから、ようやく体調が回復。やれやれ。三橋さんも
「呑んだくれは午後から復活するのよ」
と、これまた正解を述べられます。
午後からのコースは、まずは2丁目方面へ。
と、見つけました!「模索舎」。ここだったんだぁ。三橋さんのひとこと。
「なぁんだ、Duoの隣じゃない」
なんともいえない対照的な2軒です。
で、いよいよゲイタウンへ。まぁ真っ昼間ですからぜんぜんぽくないですが、それでもあちこちにゲイタウンである徴*2があります。2丁目は、通常「御苑通り」で3丁目と区切られるとされます。ところが、かつては末広町通りのあたりまで2丁目があったとか。そのころは2丁目は遊郭で、そこに意図的に御苑通りを通したらしいのです。このあたりの話はあとで…。
ただ、三橋さんの言われるとおり「ドヘテロ」な街が世界でも有数のゲイタウンに、わずか15年ほどで変化していくというのは、やっぱり新宿というきわめて人工的につくられた街のダイナミズムなんでしょうね。あと、ゲイタウンではあるけどビアンタウンではないということ。まぁこれはどこでもそうなんですが…。
コースは2丁目から3丁目(旧2丁目あたり)へ。ここで、かつての遊郭の境界線を見ます。このあたりからがいよいよわたしたちトランスの街がはじまります。噂に聞いた、でも名前しか知らない女装スポットが、次から次へとあらわれます。
そして末広町通りを通って花園神社へ。さぁ、いよいよ聖地・ゴールデン街(笑)です。
と、ある一軒のお店の前で止まられます。鉄平石でできた外観は、まさに「梢」です。素人女装という世界の発祥の地を前にした感激!
そして、コースは歌舞伎町を通ってふたたびゴール地点の東口へ。
全行程4時間にわたるものすごいフィールドワークが終わりました。

*1:この場をつかって「ありがとうございました」

*2:「ゆかた祭」のポスターとか