死のロード(1日目)・今年もやってきた

夏休み、最後の一撃がいよいよはじまります。
まずは今日から明日まである「全国在日外国人生徒交流会」です。今年の開催地は広島。当然子どもたちを新幹線に乗せるようなお金はありません。てことで、関西からはバスで行くことになっています。京都駅に集合して、途中尼崎で兵庫の生徒が乗ってきて、バスは満杯。補助席まで使う状態です。にしても、これから広島までバスか…。
バスの中では、互いに自己紹介をしたり、会場に到着してから全国の参加者に向けて行うだしものを決めたり。
だしものを決める過程がおもしろかった。南米系の子どもたちが
「ダンスをしたい!」
と言い出します。さらに
「アジア系の人は?」
と質問してきます。アジア系か…。たしかにさっきわたしも「南米系」と書いているわけで、ヤツらから見たらわたしたちは「アジア系」なわけです。なるほど…。
で、アジア系の子どもたちは
「みんなで歌を歌おう」
と返します。で、どんな歌が歌えるか、おたがいに紹介しあいます。ところがこれまたすれ違います。南米系の子らは「踊れる」曲です。もう、曲を流しながらみんなノリノリです。それを聴いているアジア系の子らはぼうぜんとしています。で、アジア系の子どもたちは
「洋楽*1は歌えへん。みんなgreeenだったら知ってるよね」
と「キセキ」を流します。すると、南米系の子らは
「知らない」
その返事を聞いて、またまたアジア系の子らはぼうぜんです。
考えてみると、南米に限らず、日本語がよくわからない子らにとって、日本語の歌はわたしたちが「よくわからない言語」の歌を聴くのと同様なんでしょうね。そのうち、究極の一撃が南米の子らから打ち下ろされます。
「韓国人だったら、韓国語わかるでしょ?韓国語の歌は?」
「韓国人やけど、韓国語、わからへんねん」
交流会に来る子らですら、というか、だからこそ、こういう軋轢があるんですね。でも、ここから何をつくりだすかということの中にこそ、この交流会の意義があるんだと思います。引率教員も、頭ではわかりながらも、やはり具体的なこういう「場」にいあわせると「なぁるほどぉ」と再認識させられますね。

で、なんだかんだ言いながら会場に到着。ホッと一息です。
後はプログラム通り。わたしの出番はプログラムの最後の方に固まっているので、しばらくはレストです。

*1:今どき洋楽という言葉なんだなぁ、と。