少し赦しを感じた

今日は午後に卒業生が来てくれました。
この子、わたしがはじめて担任した時の3年生のクラスにいた子です。このクラス、いろんなことがありました。
私生活においては、結婚したのはこのクラスを持つ前日。上の子が生まれたのはこのクラスの最後の決戦をしている頃。
でもそれよりもなによりも、このクラスにわたしは育ててもらったなと。学級開きの日、ある生徒が教室のドアを開いた瞬間に思わず出した叫び声が
「なんじゃこりゃぁ!」
でした。
そりゃそうです。その学年で、一番「元気な子」を集めたクラスでしたから。
今日来てくれた卒業生はいろんなことを覚えててくれました。
「先生、Kくんと真剣にケンカしたことあったなぁ。あのあとKくん、次の時間もずっと机に顔ふせて泣き続けてたで」
あったわ(笑)。生徒とマジでケンカする教員もたいがいやなと思いますが、その後、教室で泣く生徒もすごいです。なにより、その生徒を泣かせ続けてくれるクラスの子らがすごいです。
「あのクラスのムラの子おったん知ってるやろ」
「Nちゃんだけかな」
Nちゃんは、別にホームルームで「宣言」をしたわけではないのですが、クラスの中では隠してなかったんですよね。3学期の最後の最後で卒業できなかった高3デビューのS。この子に
「先生、なんで見捨てたん」
と泣かれた、あの涙は、わたしに教員という仕事はなんたるかを身をもって教えてくれました。紛れもなく、あれがわたしの教員としての第一歩でした。
「先生、卒業してから10年くらいした時、たまたまSと会ったんやわ。その時、Sは「わたし、最終的には卒業できひんかったけど、もしも先生が担任やなかったら、きっと1年間もたへんかったと思うわ」って言ってたよ」
もう、この言葉にほんとうに救われました。もちろん、敗北であることになんの変わりもありませんが…。
今日、来てくれてありがとう!