研究者って人間だなぁ

今日のテーマは「古典的条件づけ」です。「レスポンデント条件づけ」ともいいます。
すごく簡単に言うと、「パブロフの犬」の話です。
これまでの話は「オペラント条件づけ」といわれるもので、スキナーが考え出したもので、スキナー以前という意味で「古典的」と言われています。
レスポンデントとオペラントを比較すると、前者は「先行刺激によって反応が生じる」「生物学的基礎を持つ反応」「対提示(餌とベルみたいなペア)」がキーワードになるのに、後者は「結果事象によって増減する」「強化経験によって獲得」「行動と強化の随伴性」がキーワードになります。
つまり、レスポンデント条件づけは、いわゆる「条件反射」なわけで、ベースになっているのは「無条件反射」なわけです。
で、行動療法のおもしろいところは「一定の法則で関連づけられたものは消去できる」ってことです。
これが発揮されるのは、「恐怖症」の治療みたいです。
恐怖症は、元来恐怖を感じないもの(中性刺激)に対して「無条件刺激(無条件反射を起こさせるもの)」がセットになることで(対提示)、元来「無条件反応」だったものが、「中性刺激→条件刺激」となり「無条件反応→条件反応」と関連づけられることにより起こります。
なので、それを消去(レスポンデント消去)すればいいということのようです。
で、消去の方法はめっちゃ簡単で、「段階を追って慣れさせる」です(笑)。
なーんだって結論なんですけど、でも、経験的に正しさを感じるのではなく、理論的にそれが正しいと言えるっていうことこそが「治療」につながり、そのことによって治療が「よりよい方法の模索」へといくわけですから、やはり意味があるんでしょうね。


にしても、ところどころではさまれるエピソードが…。
生後11ヶ月の「アルバートくん」にレスポンデント条件づけの実験をしてすごい成果をおさめた「ワトソンさん」は、助手と不倫して大学をクビになったとか、とある心理学者は自分の子どもが生まれた時に、ついレスポンデント条件づけの実験をしてしまったとか。
ま、研究者って、あまりにも人間なわけです(笑)。