歯止めは必要なのかなぁ

何が悲しくて1日おきに難波まで行かなきゃならんのかと思うのですが、今日も難波です(笑)。
今日はこれの第2回目です。
今日は織田さんvsWinterさん。さてさてどうなるかな。
まずは織田さん。
織田さんは、ブルーボーイ事件から30年の空白があったこと。そのために、治療が再開した時、少数の病院に人が殺到したこと。そのためにインフラの整備が追いついてないこと。しかし、医療はインフラの整備なしにはできず、結局、精神科医が治療をしながらガイドラインも考え、インフラの整備もしなくちゃならなくなったというあたりの話をされました。で、だからこそおもしろいんだけど、新規に参入してくる人にとってはハードルが高いだろうなと。そりゃそうですよね。
で、印象的だったのは…。
ひとつはインフラの整備について引用したのが「戦争で玄人は兵站を語り、素人は戦略を語る」だったっていうことですね。「よりによって戦争かよ!」って思いながらも、なるほどなと。
あと、自殺対策について元警視総監が話した内容を引っ張ってこられたんですけど、で、それはそれでいいんですけど、「講演を聞きながら、ずっとGIDにひきつけて考えていた」って言っておられたんですよ。てことは、織田さんの中で、今GIDが中心課題なんだなって、あらためて思いました。


で、Winterさんは「Gender recognize」の必要性と「特例法批判」(笑)でした。
まずは、国際人権規約とか社会権規約とかジョグジャカルタ原則なんかを引っ張ってこられて、「Gender recognize」の正当性を主張されました。そういう意味では、特例法は正当であると。そのあと「however(笑)」と続くのはお約束です。会場にさざなみのように笑いが広がりました(笑)。
で、拷問禁止の条約とかいろんなものを引っ張ってこられて、手術要件の不当性を主張されたのち、イギリスの性別承認法やアルゼンチンの性同一性法(Gender identity law)なんかを紹介して「性別承認に医療が一切関与しない国もある」とされました。


で、質疑応答。
まずはこんな質問。
日本においてはもともと性別移行のハードルが低い文化があるのではないかと。で、例えばアルゼンチンのようなことをしたら、とめどなく性別移行の人が出てくるんではないかと。歯止めはどうなるのか不安だと。


で…。
わたしなんかは「いいじゃん」と思うんですよね。というのは、本来性別なんて何回変えてもいいし、その重みがもっと減ればいいと思っています。で、例えば、ネタで性別を変える人がいてもいいとも思っています。なぜなら、「望まない性別」での生活がとてもしんどいということをGIDという存在が証明している(はず(笑))だからです。まぁ、そんなもん、続きません。
これ、学校の制服についても言えるわけで、ネタでスカートはいて女子生徒の生活やって、果たして何日もつかなと(笑)。で、もしもそれが居心地よかったら「よかったね(^^)」なわけです。そんなのでいいと思っているんです。
で、はじめのうちは、たぶんいろんな人がいろんな形で性別変更していくだろうけど、結局はどこかで平衡状態がやってくる。つまり、必要な人はするし、不要な人はしない。そんなところにくるんじゃないかなぁ。
で、何が問題かというと、そこに外科治療が必要となるったところだと思っています。という意味では、Winterさんの話は、深く納得がいくんですよね。
で、わたしもひと波乱(笑)ののち質問。
わたしの質問は、ひとつは「(未成年の)子なし要件」のもたらすストレスについてでした。「子どもがいるためにトランスできないストレス」「トランスしたらしたで性別承認されないために実態的な性別とは法的には反対の性別になり、それが子どものための稼ぎを邪魔する可能性が高いというストレス」みたいなのを考えると、「(未成年の)子なし要件」はかなりまずい要件なんじゃないかと、かねてから思っています。Winterさんは心理学者で臨床もしているということなので、そのあたりについて聞いてみました。
あ、そうそう。日本では性別移行の縛りはゆるいかもしれないけど、「家族の縛り」はきついように思うし、いまそれをますます強くしようとする動きもあるように思いますねぇ…。
それから、もうひとつは「移行した性別での承認が簡単になると、さまざまな不利益は性別移行をすることで回避する回路ができ、それはひいては「あえて性別移行しない人」へのバッシングの強化につながるのではないか」ということでした。
で、結論的には、どちらの質問も意図を汲んでもらえなかったなぁと(笑)。
ま、そんな感じで2回目終了でした。