「貧困」の状態から「希望」を見出すために

今日は午前は出勤日です。なんでも、明日の教員採用試験でやる模擬授業の予行演習をするとか。声をかけてもらったので、やはり行かねばなと。
みんな、試験でもないのに真剣な顔つきです。んー、人の授業はクセがよくわかるなぁ。ま、授業での目線の配り方とか立ち位置だとか、いくつかアドバイスみたいなことをしたりして。まぁ、そんなもんができるような人間ではないのですが^^;;


で、午後は研修会。
テーマは「シングルマザー」です。となると、当然のことながら、スピーカーは社納葉子さんです。
実は、このテーマでガッツリと話を聞くのははじめてです。否が応でも関心が高まります。で、聞きはじめると…。
なるほどなぁ。シングルマザー家庭における貧困が、どのような形でシングルマザーと社会を切断していくのかが、すごくよくわかります。そして、その切断が貧困を再生産していく。個別の状況がどのような社会状況から生み出されるのか、社会状況がどのような個別の状況を生み出すのか。そのあたりがとてもわかりやすく語られました。
さらに社納さんはライターさんなので、単なる「当事者話」にはなりません。なんというか、人間観というか、そういうものがにじみ出てきます。それがシングルマザーへのまなざしのあり方のモデルとして目の前におられる。そんな感じがしました。
質疑応答もおもしろいですね。シングルマザー家庭に対してあまりいい思い出を持っていない教員もおられます。そんなのを遠慮せずに出してくれるのがうれしい。例えば「電話で怒られた」とか。それに対して社納さん、苦笑しながらも「あー、それはねぇ、八つ当たりですね(笑)」とわかりやすく説明してくださいます。たしかに八つ当たりはよくないです。でも、八つ当たりしないとどうしようもない時に、たぶん「こいつは見捨てない」と思ってもらえたのが八つ当たりされた教員なんでしょうね。他にも「ウソをつくのはひとつのスキル」という名言もありました。ウソをつかなきゃどうしようもない時に、ウソをつける関係であれば、あとで「あの時ウソついてん」とも言える。なんか、そういう人間関係が大切なのかなぁ…。
単に「シングルマザー」というだけではない、いろんなことに気づかせてもらえる話でした。