レジュメを切り切り

で、大急ぎで「おべんきょ場所」に向かいます。ほんとうは今日は丸一日おべんきょデーだったのですが、午前だけ失礼させてもらい、午後から参戦です。
今日のテーマは『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』という本です。
これ、おもしろい。高いけど。
この本をみんなで読みながら、担当の人のレジュメに基づいて「あーだこーだ」と言いあうのがおべんきょです。これが楽しい!
みなさん、それぞれの「おべんきょネタ」がありますから、やはりそこに引きつけて本を読まれます。話を聞くにつれ「なるほどなぁ、そういう読み方があるのかぁ」と思います。
にしても、この本、もともとは太平寺夜間中学独立運動と、そこから生み出された「うり・そだん」「さらんばん」というふたつのコミュニティの成立過程と、そこから生み出された「下位の対抗的な公共圏」について論じられた大作です。で、「在日朝鮮人女性」という観点がおもしろい。一世や高齢の二世は、民族的な抑圧よりもジェンダー的な抑圧をより強く受けるんですね。そして、私的領域に追いやられている。こうした人々がいかにして公的領域に進出し、そこで何が起こったのか。そして、「文化=社会的仲介」が公的領域において行われた結果、それが例えば民族の継承にどのように影響を与えたのかみたいな話で、ものすごく興味深い内容です。
これ、例えば「ウトロ農楽隊」に応用すると、あの「場」をすごく興味深く考察できるんじゃないかなって思いました。
あと、あの本にはハルモニと後続世代の在日朝鮮人女性が主役として描かれていますが、おそらくは東大阪の解放運動や教員たちの力はそうとう大きかったんじゃないかなと。やはり、「問題提起」を「運動」にまで発展させるにはそれ相応のものが必要だし、そこには東大阪在日朝鮮人教育運動がそうとうコミットしていたんじゃないかな。そんな背景を少し想像するとおもしろいです。
でもその上で、東大阪にできた「下位の対抗的な公共圏」のすごさと魅力ーーそれは在日朝鮮人女性をしばるジェンダー規範の強さの裏返しでもあるわけですがーーを感じさせる本でした。
あぁ、お腹いっぱいo(^^)o。