咀嚼せずに飲み込む

朝、しばらくT部さんのおうちでゆっくりして、最寄り駅へ。乗ったのは鈍行。これから約2時間の鈍行の旅、向かうは田川伊田駅です。今日は「田川地区人権センター」主催の「人権講座」です。去年、田川のみなさんが京都にいらして、少しフィールドワーク的なものをして、その後の呑み会で「呼ぼう」と言っていただいて、今日のお座敷が決まりました。まぁ、わたしのお座敷は酒がらみが多いですね。
ということで、M井さんが迎えに来て下さって、再会を「わーい」と言うまもなく、会場へ。会場について「プロジェクターは?」と向井さん。「ないよ」と人権センターのみなさん(笑)。このええかげんさが好きです。でも、きっとM井さんは困ってるだろうな。
わたしはコーヒーを飲んで、おいしいサンドイッチをいただいて、その後お座敷のセッティング。今日聞いてくださる方は、主として行政の方とのこと。そこに数人の教員と当事者もおられるとか。あまりにも層が広すぎます。今日のお座敷はどうなるだろうな。
で、お座敷開始。最初に注意事項をふたつばかり話をした上で、本格スタートです。ところが困った。リアクションが薄い。あらためてわかったのですが、わたしはリアクションに乗せられて話をするタイプなんですね。だから、リアクションが薄いと、なんだか空回りをしている気がしてしまうみたいです。いや、確かにリアクションはしておられるんです。どころか、一部の方は声を出さずに爆笑しておられます。「だから、頼むし声を出して!」と思うのですが、なかなかそうもいかないみたいです。
ちなみに、たしかにわたしは早口です。が、実は全編早口なわけじゃなくて、大切なところはそれなりにゆっくりと話しているつもりです。どちらかというと、早口なところは「どうでもいいところ」とか「リズム感」「スピード感」が必要なところに限定しているつもりです。が、たぶんみなさん、どうでもいいところの早口につられて、ゆっくり話しているところも早口と錯覚しておられるのかもしれませんね。
とにかく、リアクションが薄いままで終了。うーん…。でも、話しおえたあと何人かの方に感想を聞いたら「おもしろかったよ」「ずっと笑ってたよ」と言っておられて、「それなら声を出してよ(;_;)」と思ったりもするわけです。
で、M井さんにホテルに送ってもらう道すがら、そんな話をしていたのですが、どうやらわたしの話はかなり情報量が多いようです。そして、それを噛み砕いて理解をしようとしていると、すでに話は次に進んでいる。すると、笑える話なのはわかるけど、笑う前に次に行ってしまう。なので、笑うよりも先に考えざるを得なくて、だから真剣な顔になってしまう。そんな悪循環にはまってしまっているみたいです。なので、みなさんガッツリ聞いておられたとか。
それを聞いて「あー、なるほど」と。考えてみると、わたしは誰かの講演を聞くときに、ほとんど「理解」しようとせずに、その人が話をしている内容を、いったん鵜呑みにしてるみたいです。つまり、「咀嚼せずに飲み込む」感じなんですね。だから、とりあえず聞きとれさえすれば、あとはまぁなんとかなるかなと思っていたのですが、どうやらそれは間違っているみたいですね。でも、今さら芸風は変えられへんしなぁ…。