第10回GID学会・午後の部

午後の部がはじまる前に、昼ご飯。大切な役目も終わったことで、少し解放感もあります。人数をつのって近くの韓国料理の店へ。中にはいると、黒い人たちもいましたorz。
どうもこのお店、大量の客をさばくスキルがない店のようで、「飲み物」すら出てきません。でも、味の方はそうとういけます。これでランチ850円はけっこういいかも。
まぁ時間があったおかげで、三橋さんやその他一緒にお昼ご飯を食べた人たちと午前の「振り返り」をしたり、しょーもないネタ*1で笑ったりする時間がたっぷりとれました。


で、午後の部開始。

ミニセミナー「性同一性障害に対する外科的治療の現状」
講 師:山口 悟 (ナグモクリニック東京)
司 会:堀 貴晴 (大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室)

昼ご飯が長引いたのと、会場に入ろうと思ったら、「中は血だらけやねん。わしゃ、あーゆーのは苦手なんや」とおっしゃる方がおられて、結局そこにつきあっていました。なので、聞いていません。

総会
次回会長挨拶 小澤寛樹(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座精神神経科学)

総会では理事の選出に対する質問がありましたが、理事長は「大人の回答*2」をしていました。それにしても、あの「要件」はそうとう厳しいでっせ(笑)。
あと、次回開催地は長崎。2月14日(土)〜15日(日)です。なんでも春節にぶつかるそうで、早めに宿を押さえておくことというアドバイスがありました。ちなみに、その次の開催地は北海道ですわ…。う〜ん…。

特別講演「10 point plan for Achieving Transgender Health」
司会:針間 克己(東京武蔵野病院)
講 師:Eli Coleman

とにかく、ひたすら「トランスジェンダー」です(笑)。なんかすごく気持ちがいい講演でした。終わったあとの三橋さんの「返し」が、そんなわたしの気持ちを代弁してくださった気がします。
ただひとつ、惜しむらくは、昨日の無理がたたって&Colemanさんの口調があまりにも心地よすぎて、最初3割と最後2割しかきちんと聞けていないという(;_;)

シンポジウム2「Children with GID
司会:東 優子(大阪府立大学
「小学生のMTFの報告」 康 純(大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室) 
性同一性障害の精神性発達‐試論」 塚田 攻(埼玉医科大学かわごえクリニック)
「Children with GID」  Richard Green

康さんの話は、極めて具体的な話です。それにしても、もう一人行っているんだ。というか、若年層どころか小学生のGIDの時代なんですよね。そういえば、うちの交流会にも小学校6年生の時から来ている子がいるしなぁ。
塚田さんの話は、まさに「試論」ですが、「発達」というものの精神的側面をきちんとレクチャーしてもらった感じです。結論的には「いろいろあるけど、ちゃんと育つ」みたいな。これを言ったら身もふたもないですが、でもそこに至る「過程」の違いに着目すると、たしかにどこでどういうサポートが必要になるかということがわかるわけで、精神科医としては、あるいはサポートをする立場の人間としては、とても大切な「試論」だったように思います。
で、Greenの話ですが、一番困ったのが、同時通訳がわけわからない。Colemanの時は、ほんとうにすっきりとしていたんですが、Greenの時は、さっぱりわからないんです。これ、あとで理由がわかったんですけどね。
で、内容的には「小児性GIDは大きくなった時必ずしもGIDになるとは限らない」という話だったように思います。で、「そのうちのいくらかは同性愛になる」ということかな。それを数多くの症例とさまざまなグラフを使っていろいろ比較をしているわけです。ただ、前からよくわからないのが、おもちゃとかの話です。隣で聞いていたYちゃんが「昔からリカちゃんよりもガンプラなんですがなにか?」とか落書きしてたし(笑)。
あと、Greenの話はすべてMTFとゲイの話で、FTMとビアンの話が出てこないんですよね。さらに、「MTFとゲイに分化していく」という話なんですが、「じゃぁMTFビアンとかFTMゲイの存在はどうよ」というあたりの質問をしたかったのですが、東さんが「時間の関係でフロアからの質問は受けつけません」ということで_| ̄|◯
実は、最後の疑問は塚田さんの「試論」に対しても持ったんですよね。
例えば、わたしの場合、小さい頃「女性」に対する思いは、「性的指向」と「同一化」とが混在をしていて、なにがなんだかわからなかったんです。でも、「男性」にそういうものがないところから、「自分は同性愛ではない」とは思っていたわけです。で、自分がMTFであることがわかった時に、「あ、同時に同性愛*3だったんだ」ということがわかった、と。
まぁ、またどこかでだれかに研究発表してほしいなぁ。

シンポジウム3「特例法に関する現状と今後について」
司会:中島豊爾(岡山県精神科医療センター)
「法律家の立場から」 大島俊之 (弁護士・九州国際大学法学部)
精神科医の立場から」 針間克己(東京武蔵野病院)
「改定を含め、今後の展望について」 山本蘭(性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会)

中島さん、実は来られたのがColemanの話の直前でした。おもわずあいさつ。で、「実は交流会にも来ていただきたかったのですが」などと、しばし話。で、席を探しておられたので、通路をはさんだ隣を「ここ、あいてるみたいですよ」と言って、ちゃっかり隣同士で座っていました*4。中島さん、英語の講演を同時通訳なしで聞いておられまして、「さすが、すごいなぁ〜」と驚いていました。もっとも、たまに目をつぶっておられましたけど(笑)。
で、特例法の話。
大島さんの話の中で「おっ!」と思ったのは、「非婚要件の見直し」を考えているという話ですね。前から私は「非婚要件が本丸」と思っていたので、ちょっとうれしかったかな。もちろん、前々から思っておられたのでしょうが、それが全面に出てきたということですね。
針間さんの話は、「いつもの話」と言いながら、今回新たに年ごとの変化に着目をして診断書の発行数から読みとれることを話されました。依然、変更件数は増加していますが、だんだんそのカーブが鈍っているなぁという感じ。徐々に一定数におさまっていくんでしょうね。それにしても、FTMの増加の具合が激しい。これはやっぱり、内摘でOKという情報が出回ったのが大きいんでしょうね。ということは、その裏返しでMTFは激減しているということにもなるわけで。このあたりもおもしろい傾向*5ですね。
そうそう、手術の件数の比較の時に、「埼玉」のとなりに「和田」ときちんと書いてあったのが、すごく心地よかったです。
あと、細かく細かく笑いをとりにいくあたりに、針間さんの「心意気」を感じました。あ、開院おめでとうございます〜(笑)!
山本さんの話は、まぁ、政治情勢の話ですね。第3項が「成人していない子どもがいたらあかん」と変わるという情報提供と、そこにいたる苦労話ですか。なかでも、「運動が成功しなかった理由」は強烈でした。
1、運動が一本化できなかった
2、強力なリーダーシップをとる人がいなかった
3、一部当事者の勝手な行動*6
4、非当事者の介入*7
5、子ありたたき
よくぞ思い切られたなぁ、と。
で、そんなもやもやを最後の吹き飛ばしてくださったのが、中島さんの締めのひとことです。
「まぁ、戸籍制度をなくさないとダメということですね」
思わず拍手があちこちから起こっていました*8

閉会の辞
康 純(大阪医科大学応用医学講座神経精神医学教室)

康さんの、すべてが終わったようなすがすがしい顔が印象的でした(笑)。
そうそう、康さん、タバコやめられたそうな…。

*1:コーピングスタイルの中に「勘違い系」をつくるとか

*2:by Mすみさん

*3:レズビアン

*4:いいだろ〜>Kぼりえさん(笑)

*5:なんつーよそ事でいいのかどうかは知りませんが(笑)

*6:わたしか(笑)

*7:Y子ちゃんか(笑)

*8:ちなみに、終わったあとに「先生、あそこは「戸籍制度の頑強である天皇制をこわさないとだめ」でしょう」と言いに行ったりして…